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2008年
4月1日(火)

……『「好き」をビジネスに』を問う(1)

 仕事や働くということは、どうしても生き方や人生と直結する性格をもっています。そのため、起業の世界では“やりたいこと”が非常に重要視されることが多いように感じます。−どうしてもこれがやりたい−こういった感覚は、ビジネスに限らず何かをスタートする際には、非常に重要な要素になります。
いま、世の中で働く人の中で「自分はやりたいことをやっている」と思える人は、感覚的ですがそう多くないと思います。やりたいことができているのは、せいぜい仕事全体の5〜10%程度、そんな人も多いのではないかと思います。

「自分のしたいことを仕事にする」。これは多くの人にとって理想の生き方の一つになっていると思います。

(“好き”“やりたい”をビジネスにするということ)

ところが、実は自分のやりたいことで生計を立てるということは意外と難しいのです。
このことは本人の能力だけのせいではなく、時代背景や組織の事情などさまざまな理由によるものです。自分が手作業でやっていた仕事が機械に置き換わったというような事情や、本当は営業の現場が好きだったけれど、マネジメントする側に役割が変わったなど、本人の資質や努力とは無関係なことでも好きな仕事ができないということもあります。

  また、ビジネスは、サービス業・製造業・販売業問わず、いわゆる「商品」があり、商品の単位でまとめあげなければお金に換えることができないという性質も持ちあわせています。たとえば、好きなことが「人の話を聞くこと」である場合、“インタビュー記事を原稿化する”というような商品化のプロセスがあります。好きなことは人の話を聞くことであっても、仕事として対価を得るためには、原稿を書かなければなりません。当り前のことですが、原稿を商品として完成させる能力がなければ「好き」を仕事にすることは難しいのです。

 野球の好きな人はプロ野球の選手、将棋が好きな人はプロの将棋指しというように、「好き」を仕事にできる職業はたくさんあります。しかし当然ですが、野球が好きな人がプロをめざして集まると、高いレベルでの競争が生じます。なりたい職業を夢見る、好きを仕事にしたい、そう思う前提として恐ろしいほどの努力をする、ということが軽視されているのではと思います。

(“やりたい”が見つからなくても当たり前)


漫画家の倉田真由美さんに「だめんず・うぉーかー」という作品があります。これはダメ男を好きになる女性たちをオモシロ・オカシク描いている漫画です。この漫画では、ダメ男の例として、定職につかずミュージシャンをめざす男性が出てきます。この漫画に限らず、「夢」や「やりたいこと」は若い人を中心によく語られているようです。なんだか“やりたいこと”や“夢”をもつことが半ば強要されているようにさえ感じます。先日も大学生の人から就職について相談を受ける機会がありましたが、 “自分の適性”や“やりたいこと”がよくわからないという話をしていました。

 しかし、実務経験がほとんどない学生にとって“自分の適性”や“やりたいこと”がわからないということは、ある意味当然ではないかと思います。その学生の方は、このような質問をしました。「“自分の適性”や“やりたいこと”がわからなければ、どうすればいいのか?」。それについてはこう答えています。「えい、やーで仕事を決めてしまう。あとは転職も含めて仕事をしながら調整していく、そういうものだと思うよ」。どこまで理解していただけたかわかりませんが、ほっとしたような表情をしていたことが印象として残っています。

 また、数年前の話ですが、ある大学院生の人が弊社に就職を希望したいという申し出があり、お会いしてお話することになりました。その時の話ですが、「商店街の活性化の仕事がしたいんです」ということでした。私としては、関心ごとが商店街だけだと難しい、他の仕事(製造業関連の仕事、コミュニティビジネスの関連の仕事)への関心を質問しましたが、かなり商店街やまちづくりの仕事を希望していて、少しかみ合わなかったことを覚えています。あとで知人にそのことを話す機会がありましたが、知人から「いま、就職活動に際して大学から、やりたいことをはっきり主張するよう指導している例が多い」ことを聞きました。こういう指導をもし大学側がしているとすれば、私は何か大きな違和感を感じます。

 社員みんながやりたいことをやるために、そのプラットフォームとして会社が存在する、そういう考え方に対しては、私は賛同しかねます。

次回はそのことについてもう少し掘り下げてみたいと思います。



 


 
 
※写真は全てイメージです。
 
(文:与那嶺 学)
 


2008年
4月16日(水)

……『「好き」をビジネスに』を問う(2)

 前回のコラムでは、やりたいことをやるという風潮や、社員みんながやりたいことをやるために、そのプラットフォームとして会社が存在する、そういう考え方に対して批判的に書きました。やりたい仕事をやる、といった場合、一般的にはその道を究めるというニュアンスが含まれます。

(会社は第一義的には仕事をするために存在するもの)

ところがやりたい仕事をしたいと希望する人のなかには、労働条件を相当気にする人もいます。こうした場合、扱いがやっかいなのは本人の都合によって、やりたいことをしたいという要求と、職場としての条件闘争が混在することが時々みられることです。誤解を恐れずにいうと、これまで私がみた例では、職場としての条件闘争が前面に出ている人は、なかなかその道を究めるタイプの人にはなっていません。“努力”というとなにかたいへん泥臭い表現になりますが、まず必要なことはその道のプロになるために、相当の努力をするんだという覚悟だと思います。

 自分探しや自己実現は、働く人一人ひとりにとっては大事なことですが、会社や企業の立場で考えると、それよりももっと優先すべき課題がたくさんあります。たとえばお客様への対応であったり、組織として必要な売上や利益をあげることなどです。働く人のモチベーションの課題は、先にあげた課題−お客様への対応や売上の確保など−が優先されるということが前提となります。

(閾値(いきち、しきいち)を超えるという発想)

 以前、阪神間で有名な洋菓子メーカーの代表者とお話する機会があり、そのときの話の中で「20歳くらいの時期に、2年間でいいから朝の7時から夜の11時まで、洋菓子づくりに没頭できる人が(業界に)残っていく」という発言がありました。他の人が仕事をしていない時間になぜ自分だけが仕事をしなければならないのか、という疑問から多くの若い人が辞めていくらしいです。2年間、朝の7時から夜の11時まで、洋菓子づくりに没頭するということは、たいへんな生活です。休憩時間1時間を含めて1日16時間です。年間50日ほど休みがあると仮定して、1年間でざっと315日 × 16時間 = 5,040時間、2年間では10,080時間になります。これを2年間でなく10年間のペースに換算すると、1日あたり3.2時間になります。同じ10,080時間を洋菓子づくりに費やすわけですが、2年間と10年間では大きな違いがあるようです。これは想像ですが、たぶん5年間でもダメで、2年間没頭するというのは経験則に基づくものだと思います。

 閾値という言葉があります。“いきち”とも読みますし“しきいち”とも読みます。インターネットでこの言葉の意味を調べると、「ある刺激によってある反応が起こる時、刺激がある値以上に強くなければ、その反応は起こらない。その限界値のこと。」(はてなダイアリー)と出てきます。なんだか難しそうな言葉ですが、要するに次のような意味だとご理解ください。たとえばある商品を売る営業マンの1日あたりの飛び込み営業訪問数が、50件を超えたあたりから1件以上成約するという経験値があるとします。この場合、50件/日という飛び込み営業訪問の数値が閾値となります。早い話が1日に50件以上訪問しなけば営業成績上は全くのムダという意味で、1日に20件の訪問を3日続けても意味がない、そういうことです。

 先の洋菓子業界の例もそうですが、理屈抜きに体で仕事を覚える一定期間が必要だということが見えてきます。もちろん会社の待遇面や労働条件も働く人にとっては重要な問題とは思いますが、もっと重要なことは働く人が閾値を超えて“何かをつかみとる”ことだと思います。

 閾値を超える働き方ができる人は、その職業が“好き”だからでしょうか。中にはそういう人もいるとは思いますが、多数派ではないと思います。他の理由としては、“責任感”や“尊敬する先輩のようになりたい”とか“自分自身の納得感”などいくつかあげられます。理由なんかはどうでもいいのです。そこに飛び込んでいくかどうかの問題なんです。

(閾値を超えると可能性が広がる)

先ほどから閾値を超える、という話を書いてきましたが、閾値を超えた働き方をした人はいろんな意味で可能性が広がっていきます。
まず、任される仕事の裁量が拡大します。また、こういう人の提案を組織内でもお客様に対しても受けいれられやすい状態に変わってきます。
  つまり、好きなことを仕事にしたい、と考えているたくさんのヒントは、実はこういうところにあると思います。



 


 
 
※写真は全てイメージです。
 
(文:与那嶺 学)
 
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