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    IM与那嶺のコラム



IM与那嶺のコラム   IM奥田のコラム
2008年
3月3日(月)

■……ビジネスプラン考(1)

 私がビジネスプランを立場上、みる機会が増えたのは、2000年あたりからです。多いときは年間100〜200件くらいみていた時期もありました。最近は、少し減ってはいますが。

 企画書や計画書をみる醍醐味は、企画や計画が“動いた”かどうかを追跡してみることがあげられます。今回はそのあたりのことを書いてみたいと思います。ひとつお断りしたいことですが、本稿で対象とするのは、大きなビジネスではないことです。小さなサービス業がほとんどだということを念頭においてお読みください。

(ダメだと感じるプラン − (1)システム志向)

 プランをみて、これはしんどいなと思うもののひとつに、システム志向に尖り過ぎている企画があげられます。どういうことかというと、こういうビジネスモデルがあります、そのモデルを(高速で)回転させると売上が伸びていきますよ、というようなプランです。

 こうしたプランを書く人には共通するものがあって、それは一見精緻に見えるビジネスモデルを描き、そこに固執していることです。そういう人に「最初のお客さんはどうして見つけるの?」と質問すると、答えられないケースも多かったような気がします。このような素朴でシンプルな質問に窮している背景の一つには、「それは自分の仕事ではない」という気持ちも見え隠れします。お客様を一人ひとり回って注文をとる、販売する、こういう発想があまりなく、描いているビジネスにお客様が感動し、注文がひっきりなしにやってくる、というイメージをもっているようです。

 もう少し掘り下げると、自分には能力があって、でもいまの状況はたまたま社会的に不遇な扱いを受けている。その状況に対する異議申し立てのようなものを感じます。
こういう気持ちでビジネスや市民活動をはじめたとしても、継続することが難しい状況に直面することが多いと思います。

 また、ビジネスモデルをシステム化していく発想には、そもそも絵に描いたようには、うまく事業が立ち上がらないことが当たり前だということに気づいていないことも多いようです。
以前、ビジネスプランである中古商材を企業から集め、それを福祉作業所で修繕し販売する、というものがありました。このプランが最初につまずいたことは、中古商材を企業から集めることができなかったことです。これができないことから、プランの実現そのものが暗礁に乗り上げた、という話を人づてに聞きました。こういう言い方をすれば、比較的理解しやすいかと思いますが、こんなことはわざわざプランにするよりも、先に中古商材を集めに企業を回ってみるほうが早いのです。それで充分感触もわかるかと思います。

(ダメだと感じるプラン− (2)等身大を超えた実施体制になっているケース)

  また、別のプランをみたときの印象のお話をしてみたいと思います。そのプランでは、公園の中で高齢者を集めて、園芸療法をやる、簡単に言うとそんなプランでした。このプランで問題だったのは、園芸療法をやるプロを連れてくる、現在そういう知人はいないけれど、というところでした。このプランでは園芸療法以外でも何人かの専門家が登場しますが、ツテがあるわけでもなく、集めてくるというものでした。自分が持っている資源があまりに少なく、実施体制のほとんどすべてが“切り貼り”状態になっています。

  プランは書かなければ始まらない、というところは多分にあるわけですが、プランを書く情熱以上に、たとえば「半年かけて園芸療法の勉強をしにいく!」というような気概がほしいですね。

  実施体制のほとんどすべてが “切り貼り”状態ということは、別の見方をすると“不確定要素が多いプラン”ともいえます。こうしたプランは、いずれかの不確定要素が「不」の要素が表出すると、プラン全体がぺしゃんこになってしまいます。気をつけたいものです。

  今回はネガティブな内容になってしまいましたが、次回では“なんとなくこの人、離陸できそう”という人の特徴についてみてみたいと思います。





 


 
 
※写真は全てイメージです。
 
(文:与那嶺 学)
 
2008年
3月17日(月)

……ビジネスプラン考(2)

  前回はネガティブな内容になってしまいましたが、今回は“なんとなくこの
人、離陸できそう”という人の特徴についてみてみたいと思います。

(人間的に信頼できそうな人)

人間的に信頼できるかそうでないかは非常に重要な点です。もっともこのことは必要条件ではあっても十分条件にはなりえないかもしれないということは断わっておきたいと思います。

 私の考える人間的に信頼できる人は、自分の能力を冷静に見つめている人で、自分のめざす起業を前進させるため、他人との人間関係を大切にしようと心がけている人です。そしてそのために、自分の持てる資源を他人に供給できる心の余裕がある人です。

 その逆のタイプの人の例も少しみてみましょう。起業相談等で、本人の口から出てくる起業動機が矛盾に満ちている、という人がこれに該当します。たとえば長年自分がやってきた仕事で起業したい、ということですが、よくよく話を聞いてみると、本当は明日のお金に困っているという内容などです。また、起業動機が本当は、「単に社長になりたかった」人や「いまの仕事から逃げ出したかった」人や「勤め人としての自分の能力のなさを認めたくなかった」人など、こういう人は悪い人ではないかもしれませんが、人間的に信頼できないタイプの人だと思います。

(他人に迷惑をかけることができる人)

 この人なんとなく離陸できそう、というタイプの中に、他人に迷惑をかけることができる人があります。先に述べた「人間的に信頼できそうな人」とは矛盾しそうな感じもしますが、このタイプの人をみてみたいと思います。
私たちは、一般常識として「他人に迷惑をかけてはいけない」と刷り込まれています。もちろんこのことは、人が生きて行く上での規律や道徳として社会に存在しています。ところが一方で、「人の役に立ちたい」、「人に喜ばれることをしてみたい」という欲求も多くの人が持ちあわせています。

 「人の役に立ちたい」、「人に喜ばれることをしてみたい」ということを実現するには、その人が何か自発的に行動するか、人に頼まれるかの通常はどちらかです。要するに人にものごとを頼むことが非常に上手な人が、起業の世界でも離陸できる可能性があるということです。

 こういう人を傍から見ていると、本当にこの人こんなに頼みごと押しつけて大丈夫?と思えるときもありますが、不思議なことに頼まれている人も協力して楽しそうに見える、そんなセンスのいい人はたしかにいます。頼んだあとできちんとお礼をいう、逆に頼まれた場合は、自分も動く、こういうことで信頼関係を築き上げている人がうまくいっている感じがします。

 したがって、人がよくてもあまりに常識的になりすぎて、他人に迷惑をかけることを恐れる起業家には、周りの人がその勇気をもつよう、背中を押してあげることもときには必要だと感じています。

(起業への課題を行動レベルに落とせる人)

起業をするにあたっては、アタマの中であるいは机上でいろんなことを考えます。こうしてできてくるビジネスプランの原型は、やってみないとわからない不確定要素がたくさん潜んでいます。ときには前提も大きく崩れてしまうこともあります。

 たとえば営業職出身の人が会社を辞めて起業しても思うように受注や販売ができないということがあります。仮にその人自身に問題がなくても、前の取引先が起業したばかりの会社との取引に消極的・否定的なスタンスをとっているケースなどです。こうしたことは動いてみて初めてわかることです。それともいっそう、前の取引先を最初からアテにしないことが大事だと思います。

 こうした例のように、起業したばかりのときには、いろんな課題が発生します。もちろんどんな企業でも課題はあると思いますが、起業したばかりの時期は課題を解決するための資源(資金、人材、設備など)も十分ではありません。

 ときどき、起業したばかりの人が営業や販売体制を構築するための組織図やネットワークの図を書いているところを見かけますが、正直あまり関心しません。そういう労力のかけ方ではなく、たとえば潜在的なお客様をリストアップし、アポ取りや訪問計画を立てる、それを実行するなど、具体的な行動のレベルに落とし込んでいくことが大事だと感じています。

 このケースでは、組織図やネットワークの図を書くことは、動かずして掛け算を志向する方法で、反対に潜在的なお客様をリストアップし、アポ取りや訪問計画を立てる、それを実行するという方法は、足し算の発想です。もちろんビジネスなので、掛け算的な志向が必要になることもありますが、まず必要になることは足し算の発想だと思います。

 足し算の発想とは、眼の前の問題を直視して、“一つずつつぶしていく”という地味な作業です。眼の前の問題を直視することは、本当は怖いことです。この恐怖と向き合うことがたいへん重要になると思います。また、眼の前の問題に向き合う行為そのものが孤独な作業になりがちなことから、孤独に耐える力も必要になると思います。

                     * * *

 ビジネスプランを考えるコラムでしたが、後半は人物像について語ってしまいました。私自身は、ビジネスプランを決して軽視しているわけではありません。しかし、プラン以前の問題−起業をしたい人の心も持ちよう−が非常に重要だと感じています。

 国やその外郭団体をはじめ、提案公募等で補助金・委託費を申請する、いわゆる競争的資金の申請は、明らかに“書くコツ”があるといわれています。ビジネスプランと競争的資金の申請を同列に並べることは少々危険ですが、ビジネスプランでも書き方のコツを知っているような感じの人もいます。これは私に限ったことかもしれませんが、きれいに書けているビジネスプランは、読み終わった後、何かざらっとした感触が残ることが経験的に多いと感じています。本音をいえば、プランよりも一人称で自分のやろうとしていることを熱く語る人を見ていることが楽しいと感じています。


 


 
 
※写真は全てイメージです。
 
(文:与那嶺 学)
 
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