子育てをめぐる親の悩みはつきないもの。しかし、気軽に相談できるところがないのが現状です。そんな親たちの思いを受けて設立されたのがげんき村です。「子どものいる生活、自分のこと、友だちのこと、学校のこと、近所のこと、子育てをする親には問題や悩みがいっぱいです。そんなときに、息抜きができる場があったらいいと思いませんか」と語るのは、事務局長の松下さん。通常は産休明け乳児の保育を行う家庭保育所を開設。その他、子育てに関する勉強会、学校でのトラブルに関する相談会、保育士のための学習会など、子ども、親、先生など子育てをめぐる人たちが誰でも相談したり勉強したりできる場の提供を行っています。
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事務局長の松下さん
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子どもの親と開いた勉強会
松下さんがげんき村を立ち上げたのは、息子さんの友だちの親たちと、子育てや人権についての勉強会を始めたことがきっかけでした。
「次男が中2の時、彼の友だちがある問題を抱えていました。次男は先生から“付き合うな”と言われたというんです。“あなたはどう思う?”とたずねると“僕には大事な友だちだ”と答えました。そこで、その友だちの親と話し合うことにしたんです。そうしたら、その人たちが抱える問題が分かってきたんです。それで他の人にも声をかけて勉強会を始めました」
勉強会を通して、そこに参加したメンバーがひとつになれました。先生とも対話ができたと言います。勉強会をやるうちに、「行く高校がない」と言われているぐらいに学校の勉強が苦手な子どもたちがいることが分かってきました。それで、彼らのための寺小屋も始めました。「男の子ばかりの寺小屋になってしまったので、女の子も入れる場だったらよかったのになあと後悔が残りました。同時に、親同士が話ができる場が欲しいと思ったんです」。
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一方、松下さんが住んでいる服部元町地域では地域の子ども会がありませんでした。どんな子どもがいて、どんな状況なのかわからない。そこで「元気会」というグループを作りました。空き缶回収やバザーをして費用をつくり、天神さんの秋祭りに参加したり、地区運動会のお弁当を購入して参加者に配るなどの地域活動を始めました。その活動の中でも、親から「子どもが保育所や学童に行くのを嫌がるんだけれどどうすればいいか」などの相談を受けるようになり、ワークショップを始めるようになりました。
「色々な経験が重なってげんき村を立ち上げることになったんです」
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げんき村の代表は松下さんの夫でもある静夫さん。「“松下さんのところは理想的ね”と言われることがあります。夫婦で関わっているところは珍しいそうです。」
子育てで自信をなくしたときには、夫の静夫さんが一緒に悩んでくれたとのこと。「夫と向き合っていける」と思ったと言います。
「“子どもはお母さんだけで育ってない。いろんな環境の中で影響を受けている。君は十分やっているよ。毎朝お味噌汁の匂いがしているのがいいやん”と夫が言ってくれたんです。相手を責めず、認め、母親ひとりの責任ではないと認めてくれていた。それを他の人に伝えたいと思って勉強会を続けています」 |

家庭保育所の様子
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大切にしていることは、自分は普通に働き、普通に暮らし、普通に年をとってきたことだと松下さんは言います。「その普通にやってきたことが、子育てをする親と接する上で大事だと思っています」。
ファシリテーターに徹しているという松下さん。誰でも何でも話せるような雰囲気づくりを心がけています。「お父さんを対象とした勉強会をしたときのことです。普段は仕事が忙しくて家事ができないから、せめて買い物だけ手伝おうとやっていたお父さんに対して、中学生の娘が“おかんのパシリのくせに”と言ったらしいんですね。娘とのコミュニケーションに悩んでいるお父さんに、他のお父さんが“その年頃はそんなもんや”と話して、安心して帰っていきました」。
現在は家庭保育所を行っていますが、将来は学童保育の開設等もしたいとのこと。子育てをめぐる環境が複雑化する中でその役割が期待されています。
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