高齢者や障害のある人は、加齢や障害の程度により身体の変化や機能の低下が表われます。身体の変化により、身体寸法も変化し、衣服が体型に合わなくなります。また身体機能の低下により、動作が遅くなり、手指の動きが低下し、衣服の着脱がしにくくなるなど、現状の衣生活にさまざまな影響を及ぼします。
ハートフルウェアフジイは、入院、手術後、点滴時など、さまざまな介護現場で求められる着やすく、着せやすい「らくラクウェア」の企画・開発をする会社です。「困っている人のために会社を作ったんです。とにかく利用者に喜んで欲しい」と語るのは代表取締役の藤井さん。介護の現場に求められる機能面だけでなく、デザイン性をそなえた服作りを続けています。 |
どんな人でもおしゃれをしたいと思っているんです
もともとが服飾デザイナーだった藤井さん。1993年から友人にすすめられ、そこで女子大でシニアデザインの講師を始めました。内容は60歳から80歳までの体型を測定してデザインしました。今後の高齢者社会を見越しての取り組みでもありました。
「転機となったのは1995年の阪神淡路大震災ですね。シニアデザインの洋服はまだ試作品の段階だったのですが、被災要介護者のための介護服として注目されたんです」
それがある会社の目にとまり、藤井さんはその専属デザイナーになりました。しかし、利益があがらずその会社は介護服の事業から撤退。藤井さんの進退も問われました。
「会社は介護服の事業をやめると決めましたが、デパートなどお客さまから続けて欲しいとの要望があったんです。それで自分が事業を続ける決意をしました」
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代表取締役の藤井加代子さん
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こうして2001年に起業。「着やすく 着せやすい 人にやさしいおしゃれなケアウェア」をコンセプトに事業を開始しました。
「単なる機能性を重視しただけではなく、デザイン性も大切にしています。フリル付きブラウスを作ったらあっという間に売れたんです。その時におしゃれをしたいと思っている人が沢山いるのだと確信しました。どんな人でもおしゃれをしたいと思っているんですよ。」
全国各地から「こんな服を探していました」「こういう服が欲しいと思っても今まではなかった」などの便りが届くようにもなりました。「経営は決して楽ではないのですが、お客さまから届く感謝の声を励みにがんばっています。」
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品質にもこだわって
もともとあったバリアを取り除くバリアフリー。それからさらに一歩すすんだ、最初からバリアが取り除かれている(特別な調整をしない)ユニバーサルデザイン。「すべての人が身体の障害や変化、機能の低下などに関わらず、おしゃれが楽しめる衣生活環境として“ユニバーサルファッション”を目指しています。」
ハートフルウェアフジイの製品の特徴は、とにかく品質にこだわっていること。糸を買って生地から作っていることにあります。着心地のよい先染め織物(播州織)を使用。科学薬品は使わず、できるだけ天然染料を使用しています。夏は涼しく冬は暖かくなど、生地の織り方も夏冬で変えています。
「背広、ジャンパースカート、ズボン(男女)、巻きスカートなどなど、ご自分の好みに合わせたオーダーウェアもお作りします。
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前開きパジャマの商品紹介
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また、2006年1月からは「要介護状態になる前の服も欲しい」との要望にこたえて、介護予防に役立つ衣服の発売も始めました。要支援や要介護1など要介護度の軽い人を対象としたもので、高級ベビー服と同等の検査基準を合格した製品。留めやすい大きなボタンやウエスト調節機能がついており、肩関節をあまり動かずに自分で着脱できるのが特徴です。
「ちょっとした移動中にも考案した図案を書き留めておきます」という藤井さん。藤井さんの手帳は次回作にむけたアイデアであふれています。「今後も看護師や介護スタッフ・要介護者の家族など、利用者の要望に応じた商品の開発を進めていきたいですね。」
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